2025年11月07日 夜のAIニュースまとめ
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GoogleのTPU新世代「Ironwood」提供開始とAI業界の最新動向
今週のAI業界では、GoogleのTPU第7世代「Ironwood」の一般提供開始が大きな話題となっています。前世代から10倍のピーク性能向上を実現したこの新型AIチップは、同社の最先端モデル開発にも活用されています。
また、TeslaがAIチップ製造の垂直統合を進める「TerraFab」計画や、米政府によるNVIDIAの中国向けAIチップ販売規制の強化など、半導体をめぐる動きが活発化しています。
それでは各トピックの詳細について見ていきましょう。
目次
- Googleの第7世代TPU「Ironwood」が一般提供開始【続報】
- OpenAI、GPT-5-Codexに複数回の改善アップデートを実施
- 【続報】米政府、NVIDIAの中国向けAIチップ販売を不許可の方針か
- Tesla、半導体工場「TerraFab」を自社建設か【続報】
- OpenAI、政府によるデータセンター保証を否定
- AIエディタCursor、新機能Composer-1を期間限定で無料提供【続報】
- Google、NotebookLMのChrome拡張機能を開発中
- SwallowProject、v2のコード・数学データセットを公開
- AIモデルの記憶を選択的に消去する新手法、著作権問題に一石
Googleの第7世代TPU「Ironwood」が一般提供開始【続報】
- 4月のGoogle Cloud Next '25で発表された、第7世代TPU「Ironwood」の一般提供が開始されました。
- 前世代のTPU v5pと比較して10倍のピーク性能向上を達成しており、トレーニングと推論の両方で大幅な性能向上を実現しています。
- このTPUは、Google自身の最先端モデルの学習やサービス提供にも使用されているとのことです。
Jeff Dean: (翻訳) 私たちの第7世代TPU(Ironwood)が、Cloud TPUのお客様向けに一般提供されます。前世代に比べて性能と効率が大幅に向上しています!🎉
パウロ: Google TPU Ironwood これがBroadcomと共同開発したものです TSMCのCoWoS-Lかな? やっぱりGoogleのハードウェアはすげー
Rohan Paul: (翻訳) これがGoogleの「Ironwood」、最も強力な第7世代TPUです。 - 4,614 FP8 TFLOPSのパフォーマンスを提供し、192GBのHBM3Eメモリを搭載、最大7.37TB/sの帯域幅を提供します。 - Ironwoodポッドは最大9,216個のAIアクセラレータまで拡張可能で、合計42.5 FP8を提供します。
OpenAI、GPT-5-Codexに複数回の改善アップデートを実施
- OpenAIのコーディング支援モデル「GPT-5-Codex」の続報です。
- 複数回のアップデートが報告されており、共同編集時の動作改善や、より効率的なトークン消費などが図られています。
- 開発者からは品質の高さを評価する声が上がっており、細かな改善が継続的に行われている模様です。
Alexander Embiricos: (翻訳) 📣 GPT-5-Codexに小さなアップデートをリリースし、ローンチ後のいくつかのフィードバックに対応しました: - 同じファイルを編集する際の連携が向上 -git resetの使用頻度が減少 - 時間とコスト効率がわずかに向上:3% - apply_patchによる編集の信頼性が向上 皆さんに気づいてもらえて嬉しいです。近々さらなるアップデートがあります。
Greg Brockman: (翻訳) Codexチームは迅速な漸進的進歩を続けています。
Alexander Embiricos: (翻訳) Codexのレート制限をさらに有効活用するためのアップデートです:時々、我々の側でのキャッシュミスが原因で、Codexのタスクが他の類似タスクと比較して予期せず速くレート制限を消費することがありました。これに取り組んできた結果、使用量がはるかに安定するはずです!
【続報】米政府、NVIDIAの中国向けAIチップ販売を不許可の方針か
- 米国の輸出規制に対応するためNVIDIAが開発した、中国向けの性能を抑えた最新AIチップの販売を、米政府が許可しない方針であるとThe Informationが報じました。
- この動きはNVIDIAにとって大きな打撃となる可能性があり、米中の技術覇権争いの激化を示唆しています。
- NVIDIAのJensen Huang CEOも、中国企業とBlackwellチップの販売交渉を積極的に行っていないと述べています。
The Information: (翻訳) 独占:ホワイトハウスはNvidiaが最新のスケールダウンしたAIチップを中国に販売することを許可しない方針。これはNvidiaにとって大きな打撃となる。 @QianerLiu の記事で続きを読む 👇 https://t.co/VPtdi52Daf
Jukan: (翻訳) 米国、NVIDIAの中国向けスケールバックAIチップの販売を阻止へ(The Information)
Bloomberg: (翻訳) NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、同社がBlackwell AIチップを中国企業に販売するための積極的な協議を行っていないと述べ、世界最大の半導体市場への復帰を画策しているとの憶測を一蹴した。https://t.co/FHbf0vl9uW
Tesla、半導体工場「TerraFab」を自社建設か【続報】
- これまでSamsungなど外部パートナーとの提携でAIチップ開発を進めてきたTeslaが、新たに半導体製造工場「TerraFab」を自社で建設する計画だと報じられました。
- AI開発や自動運転技術で大量の半導体を必要とする同社が、サプライチェーンの垂直統合をさらに進める動きとして注目されます。
- OpenAIのSam Altman氏も「チップが次のチップを設計する」ことの重要性に言及しており、ハードウェアの自己改善能力を持つことの戦略的な重要性を示唆しています。
Tech Dev Notes: (翻訳) テスラは巨大なチップ工場「TerraFab」の建設を計画している。
Jukan: (翻訳) ・マスク氏:テスラは独自の半導体工場を建設するかもしれない。 ????
Haider.: (翻訳) サム・アルトマンは、人々はソフトウェアにおけるAIの自己改善に注目しているが、あまり議論されていない部分はハードウェアだと語る。「ロボットがロボットを作る。データセンターがデータセンターを建設する。チップが次のチップを設計する」 これが始まると、多くの困難な部分が容易になる可能性があり、チップ設計は素晴らしいものになるかもしれない。
OpenAI、政府によるデータセンター保証を否定
- OpenAIのSam Altman CEOが、同社のデータセンターに対して政府保証を求めたり、受けたりすることはないと明確に否定しました。
- 政府は勝者や敗者を選ぶべきではなく、税金で事業判断の誤りを救済すべきではないとの考えを示しています。
- これは、AIインフラの構築における同社の独立した姿勢を強調するものです。
Kol Tregaskes: (翻訳) サム・アルトマンは、OpenAIが政府のデータセンター保証を拒否することを明確にし、2025年には年間収益200億ドル以上、2030年までには数千億ドルに拡大すると予測している。これは8年間で1.4兆ドルのインフラ投資を背景にしている。政府は国家のために戦略的なAI計算予備を所有することができる。
Financial Times: (翻訳) アルトマン氏、OpenAIは「大きすぎて潰せない」存在になろうとはしていないと語る https://t.co/zwvvMtw1Iz
パウロ: 素晴らしい 勝者が残り、敗者は去るのみ
AIエディタCursor、新機能Composer-1を期間限定で無料提供【続報】
- 以前お伝えしたAIコードエディタ「Cursor」の独自コーディングモデル「Composer」に関する続報です。
- 新たに「Composer-1」と呼ばれる機能が強力であると開発者の間で注目を集めています。
- 現在、期間限定で無料提供されており、利用が広がっています。
- また、開発の裏側に関する記事も公開され、その開発スタイルも話題となっています。
Lee Robinson: (翻訳) Cursorの使い方(コーディング経験なしで) https://t.co/bdWBLbWwfR
Ryo Lu: (翻訳) Cursorを構築することがどんな感じか、その一端を味わってください – 強烈で、混沌としていますが、非常に楽しくてやりがいがあります。ノースビーチの私たちのオフィスを訪れるように、読んで楽しんでください。
てつ / AI: やっぱり Composer-1 期間限定で無料なんやな これは Cursor 本格的に神です https://t.co/BG0ajDXR93
Google、NotebookLMのChrome拡張機能を開発中
- Googleが、AIノートアプリ「NotebookLM」のChrome拡張機能を開発中であることが明らかになりました。
- この拡張機能により、現在開いているウェブページを選択したノートブックのソースとして簡単に追加できるようになる可能性があります。
- まだ利用はできませんが、NotebookLMの利便性をさらに高める機能として今後の展開が期待されます。
TestingCatalog News 🗞: (翻訳) GoogleはNotebookLM用のChrome拡張機能を開発中です(まだ利用できません)。これにより、ユーザーは開いているページを選択したノートブックのソースとして追加できるようになる可能性があります。https://t.co/EBPKyfuBO9
SwallowProject、v2のコード・数学データセットを公開
- 日本語と英語のバイリンガルLLM開発を目指すSwallowProjectが、最新モデルの開発に利用している数学とコードのデータセットv2を公開しました。
- Apache 2.0ライセンスで提供され、商用利用もしやすくなっています。
- このデータセットを用いた強力なモデルのリリースが待たれます。
Kazuki Fujii: SwallowProject最新モデルの開発に利用している数学、コードデータセットを公開しました! 前回のモデルリリースから大分時間が空いてしまっていますが、引き続き強いバイリンガルLLM(日本語、英語)の開発を行っています。 モデルの性能が所定の水準に達し次第、リリースできると思います。お待ちを
Naoaki Okazaki: SwallowCode, SwallowMathのv2を公開しました。このデータセットを中間学習に使用すると、他のデータセットで学習したのと同等かそれ以上の性能(コーディングや数学において)が出ています。ライセンスもApache 2.0になり、使いやすくなりました。詳細は藤井 (@okoge_kaz) さんのスレッドで。
AIモデルの記憶を選択的に消去する新手法、著作権問題に一石
- 新たな研究により、AIモデルの「汎用的な能力」を維持したまま、「特定の記憶」だけを選択的に消去する手法が発表されました。
- この技術は、モデル内部のどの部分が能力を担い、どの部分がデータの丸暗記を担っているかを特定することで実現されます。
- これまで問題視されてきた、AIによる著作物などの意図しない「記憶」を消去できる可能性があり、今後のAI開発と著作権の議論に大きな影響を与えそうです。
webbigdata: AIの内部を新手法K-FACで分解した結果「汎用的な能力を担う部分」と特定のデータを丸暗記した「記憶を担う部分」の切り分けに成功 この発見により能力を維持しつつ、記憶だけを選択的に消去する事が可能に AIが特定のイラストを丸ごと記憶してパクっているという議論は成り立たなくなる可能性が高い