2025年07月01日 夜のAIニュースまとめ
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最新動向:KaggleからJEPA、企業データ囲い込みまで
AI界隈では多様な展開が進んでいます。Kaggle地震コンペでは上位入賞者が続々と革新的解法を公開。AnthropicのClaude Codeには開発ワークフローを自動化する「Hooks」機能が追加。
一方、SaaSプラットフォームではSalesforce、Atlassian、Notionなどが自社データへのAIアクセスを制限する動きが拡大。CloudflareはAIスクレイピングに課金できる市場を新設しました。
また、Sakana AIの複数LLM連携技術やLeCun氏が再注目するJEPAなど、次世代AI技術の動向も活発です。
それでは各テーマの詳細を一緒に見ていきましょう。
目次
- Kaggle地震コンペ続報、JAX活用など多様な解法が公開
- Claude Code続報: 新機能Hooksで開発ワークフローを自動化
- Sakana AI、複数LLMの集合知で推論能力を向上させる新技術
- Salesforceに続きAtlassian等もAIからのデータアクセス制限
- AIエージェント、大企業向け開発の現実的な課題が浮き彫りに
- Yann LeCun氏、JEPAアーキテクチャの重要性を改めて強調
- Cloudflare、AIのWebスクレイピングに課金する新市場を創設
- Perplexity、月額$200の上位プラン「Max」提供の噂
Kaggle地震コンペ続報、JAX活用など多様な解法が公開
- 先日終了し、その難易度の高さで話題となったKaggleの地震予測コンペの続報です。
- 上位入賞者たちが次々と解法を公開しており、チューリングCTOの山口氏はJAXを用いて速度構造を直接最適化するアプローチで27位に入賞した知見を共有しています。
- その他、カスタムCUDAカーネルの実装や、Forward Modelで疑似ラベルを作成する手法など、多様なアプローチが議論され、コミュニティの知見が深まっています。
Yu Yamaguchi | チューリング CTO: 地震波コンペ、お疲れ様でした!最終順位は27位で🥈でした🙌 直前に速度構造をモデル合成でなく直接最適化できることに気づき、週末に最適化コードを頑張って実装してました。(score 23.8→17.8) 自動運転開発でも使っているJAXで高速化と並列化がゴリゴリと書けたので、非常に満足です https://t.co/iAf5VA35Nx
yu4u: もう少し詳細なsolution書きました! https://t.co/qlbJvmfjWF https://t.co/Z2P7vMmCEJ
Dieter: (翻訳) @kaggleの波形反転コンペティションでソロ9位で金メダルを獲得できて嬉しいです。このコンペのために、初めてカスタムCUDAカーネルを書きました。私の解法はこちら。
Claude Code続報: 新機能Hooksで開発ワークフローを自動化
- AnthropicのAIコーディング支援ツール「Claude Code」の続報です。
- 特定のタイミングでシェルコマンドを自動実行できる新機能「Hooks」が追加されました。
- ファイルの編集後にフォーマッターを自動実行するなど、開発ワークフローを柔軟に自動化し、開発効率の向上が期待されています。
しば田 | Programming x AI: Claude CodeのHooks便利そう PreToolUse: ツール実行前 PostToolUse: ツール実行後 Notification: 通知送信時 Stop: Claude Code終了時 のタイミングでシェルコマンドを仕込めるらしい。 とりあえず、Linterと重複検出からやる https://t.co/Zj6eNPdvpm
Ian Nuttall: (翻訳) Claude Code 1.0.38がリリースされ、新しいフック機能が追加されました。Claude Codeのライフサイクルのさまざまな時点で実行されるシェルコマンドを登録できるようになりました。例:- カスタム通知- ファイル編集後の自動フォーマット- すべてのコマンドの追跡とログ記録詳細は以下のリンクをご覧ください。
azukiazusa: Claude Code の Hooks で作業が終わった後にフォーマッターを実行する https://t.co/4UvBbMSnGn
Sakana AI、複数LLMの集合知で推論能力を向上させる新技術
- Sakana AIが、複数のLLMを協調させて推論能力を高める新しいフレームワーク「Adaptive Branching Monte Carlo Tree Search (AB-MCTS)」を発表しました。
- この技術は、単一のモデルで推論を繰り返すのではなく、複数のフロンティアモデル(Gemini 2.5 Pro, o4-mini, DeepSeek-R1など)を組み合わせ、問題ごとに最適な探索を行うものです。
- この「集合知」アプローチにより、難解なベンチマークとして知られるARC-AGI-2において、個々のモデルを大幅に上回る性能を達成したと報告されています。
- Sakana AIは実装をオープンソースで公開しており、LLMの推論時スケーリングにおける新たな可能性として、研究者や開発者から大きな注目を集めています。
Takuya Akiba: 推論時スケーリングの新手法「AB-MCTS」を発表しました!Gemini 2.5 Pro, o4-mini, DeepSeek-R1等のフロンティアモデルをアンサンブルし適応的に試行錯誤させることで難しいタスクに取り組むことができます。去年の「進化的モデルマージ」に続き複数LLMを集結させる技術を作れて気に入ってます!
hardmaru: (翻訳) フロンティアAIのための推論時スケーリングと集合知 https://t.co/3qSUaEixQU 我々は、複数のフロンティアAIモデルが協力することを可能にする新しい推論時スケーリングアルゴリズムであるAB-MCTSを開発し、ARC-AGI-2ベンチマークで有望な初期結果を達成しました。
Ino.Ichi: LLMの解答探索手法「Multi-LLM AB-MCTS」のブログを公開しました!どのように探索していくかや、どのLLMを使うかを問題ごとに柔軟に探索できるようアルゴリズムが設計されています!AB-MCTSの実装や実験も公開していますので、ぜひ試してください🙌
Salesforceに続きAtlassian等もAIからのデータアクセス制限
- SalesforceによるSlackデータへのアクセス制限に続き、AtlassianやNotionもAI検索スタートアップGleanなどによるデータアクセスを制限していると報じられました。
- 企業が自社の顧客データを貴重な資産とみなし、AI企業による利用をコントロールしようとする動きがSaaS業界全体に広がっています。
- AIの性能向上に不可欠な企業データの囲い込みが進むのか、今後の動向が注目されます。
Stephanie Palazzolo: (翻訳) 企業データ戦争が激化しています! AtlassianとNotionは、GleanのようなAIスタートアップが自社のデータにアクセスするのを困難にするための措置を講じています。これはSlackからの同様の動きに続くものです。 @nmasc_ @KevKubernetes @aaronpholmesより https://t.co/4S8WcHgwYO
The Information: (翻訳) Atlassian、Notionとの企業データバトルが激化 ソフトウェア企業とAIスタートアップが、価値あるビジネスカスタマーデータを巡って衝突しています。詳細はこちら:https://t.co/qMbHbDRBnT #dataconflict
Tetsuro Miyatake: Salesforceが最近SlackデータをGleanなど第三者ツールがアクセスできないようにしたニュースを見て、Notionなども外部がアクセスできる情報を見直しているらしい。 https://t.co/7Xa6MF6OG2
AIエージェント、大企業向け開発の現実的な課題が浮き彫りに
- 大企業向けのAIエージェント開発の難しさが浮き彫りになる投稿が話題です。エンタープライズAIの変革を目指していたスタートアップの創業者が、事業からのピボットを報告し、その過程で得た学びを共有しました。
- 投稿では、大企業が抱える問題の複雑さ、データのサイロ化、そしてAIエージェントが価値を発揮するために必要な地道な作業の多さなどが指摘されています。AIモデルの性能だけでは解決できない、エンタープライズ導入の現実的な課題が示唆されています。
- この投稿に対し、Google Cloudのソリューションアーキテクトからも「モデルが与えられた後、Agentというサービスに仕立てることがいかに大変か」と共感の声が寄せられており、AIプロダクト開発の現場のリアルな声として注目されています。
Kenn Ejima: 大企業向けAIエージェント開発からピボットして離れる決断をしたスタートアップ創業者の学びが深い。 以下、全文訳。
Carlos E. Perez: (翻訳) 痛い!エンタープライズAIの変革には、まだかなりの手間がかかる。また人手を雇う時が来たようだ。
Hirosato Gamo | AI Cloud Solution Architect: 「ワイが書いた文章か…?」と思うくらいには全て分かります。辛い。みんなモデルの性能の僅かなスコアでどこが勝った負けた言ってるけど、そんな甘くないんす。モデルが与えられた後、Agentというサービスに仕立てることがいかに大変か。ワイからすればDeepReseachとかプロダクトとして神なんよ。
Yann LeCun氏、JEPAアーキテクチャの重要性を改めて強調
- MetaのチーフAIサイエンティストYann LeCun氏が、自身が提唱するAIアーキテクチャ「JEPA」の重要性を改めて強調し、注目を集めています。
- これは、JEPAの台頭を示唆する投稿にLeCun氏が「Indeed. (まさにその通りだ)」と返信したことによるものです。
- JEPAは、先日発表されたワールドモデル「V-JEPA 2」にも採用されている次世代のAIアーキテクチャです。
- 現在の生成AIとは異なり、入力データから世界の仕組みを学習し未来を予測することで、より汎用的な知能の実現を目指しています。
- LeCun氏が改めてその方向性の正しさを認めたことで、今後のAI開発のトレンドとしてJEPAへの関心が一層高まりそうです。
Yann LeCun: (翻訳) まさにその通り。
Shakeel: (翻訳) 今日の発表に対するルカンの沈黙は(私が見逃していない限り)耳をつんざくようだ。
Yann LeCun: (翻訳) JEPAが台頭してきている。@ylecunは正しかった。
Cloudflare、AIのWebスクレイピングに課金する新市場を創設
- Cloudflareが、ウェブサイト運営者がAIによるデータスクレイピングに対して課金できるマーケットプレイス「Crawler Radar Marketplace」を立ち上げました。これは、AIモデルの学習データソースを巡る新しい動きとして注目されます。
- この仕組みにより、サイト運営者は自社のコンテンツへのアクセスを制御し、その価値を収益化する新たな手段を得ることができます。一方、AI開発者は正当な対価を支払うことで、質の高いデータへアクセスしやすくなる可能性があります。
- AIの学習データの権利関係や利用許諾が大きな課題となる中、Cloudflareのこの取り組みは、ウェブコンテンツの価値を再定義し、AIエコシステムに新たな秩序をもたらすかもしれません。
TechCrunch: (翻訳) Cloudflare、ウェブサイトがAIボットにスクレイピング料金を請求できるマーケットプレイスを開始 | TechCrunch
Perplexity、月額$200の上位プラン「Max」提供の噂
- AI検索エンジンPerplexityが、月額200ドルの新たな上位プラン「Perplexity Max」を準備中であるとの情報がリークされました。
- このプランは既存のProプラン(月額20ドル)を大幅に上回る価格設定で、リサーチ機能「Labs」の無制限利用や新機能への早期アクセスなどが提供される見込みです。
- AIコーディングアシスタントCursorの月額200ドルプランに続く動きでもあり、AIツールの高価格・高機能化のトレンドとして注目されます。
TestingCatalog News 🗞: (翻訳) ユーザーはPerplexityのスケジュールタスクを介してLabsの作成をスケジュールできるようになります! 人間のアナリストを雇うことなく、朝にポートフォリオ内のすべての資産に関する包括的な財務レポートを受け取ることを想像してみてください。 PerMAXity 👀
Tech Dev Notes: (翻訳) Perplexity Maxは200ドル。価値はあるか?