2025年06月11日 夜のAIニュースまとめ

OpenAI o3進化とAltman氏の未来予測：急速に変化するAI業界の最新動向

OpenAIが高性能モデルo3-proをChatGPT Pro/TeamユーザーとAPIで提供開始し、同時に既存o3モデルの大幅値下げと利用枠倍増を発表しました。

一方、Sam Altman CEOは「穏やかな特異点」と題したブログで、AIが人間より知的なタスクを実行する未来を予測。また夏後半に予定するオープンウェイトモデルについては「予想外の素晴らしい成果」のため延期されています。

企業のAIエージェント開発も加速しており、メルカリのデータ分析AI「Socrates」構築やAlgomaticの炎上対策AIなど具体的な活用事例が続々と登場しています。

それでは各トピックの詳細を見ていきましょう。

目次

1. OpenAI o3 Pro提供開始 o3値下げとPlus枠倍増 続報
2. S.アルトマン氏「穏やかな特異点」ブログ公開
3. OpenAI、オープンモデルのリリースを今夏後半に延期【続報】
4. 【続報】Apple Intelligenceの評価：Siriと音声AI最新動向
5. メルカリ、Geminiでデータ分析AI構築 ADK活用事例共有【続報】
6. AIエージェント開発: 炎上対策AI、Devin活用、MCP入門
7. AI活用に高度な知性必要論、OpenAIはLLMエネルギー消費量を公表
8. Ponanza開発者講演に注目 Kaggle地震コンペ難航 kprize延期
9. AI企業の資金調達活発化とSalesforceの牽制動き

OpenAI o3 Pro提供開始 o3値下げとPlus枠倍増 続報

• OpenAIの高性能モデルo3-proがChatGPTのPro/TeamユーザーおよびAPIで利用可能になりました。これは既報の正式リリースに続くものです。
• 既存のo3モデルはAPI価格が80%大幅値下げされたことに加え、ChatGPT Plusユーザーの利用枠も週100メッセージから200メッセージへと倍増されました。
• o3-proは高いコンテキスト理解力や思考力が評価されており、API価格は値下げ後のo3の約10倍となっています。

Kevin Weil 🇺🇸: (翻訳) ちなみに、本日o3のAPI価格を80%値下げしました。これで1ドルあたり5倍のo3が利用できます。素晴らしいものを作ってください！🙌

ChatGPT研究所: 【速報】OpenAI、新モデル「o3-pro」をリリース 主要ベンチマークで o3(medium) を上回る性能、数学ベンチマーク(AIME)では93%の正解率を記録。 本日よりPro/Team/APIで利用可能（o1-proを置き換え）。Enterprise/Eduは来週提供開始。 o3 の価格が値下げした直後の出来事でした。 https://t.co/Tg5sK3s0gX

Rohan Paul: (翻訳) o3はもうあなたをスロットリングしません。思いっきりどうぞ。OpenAIはChatGPT Plusユーザー向けのo3のレート制限を2倍にしました。

S.アルトマン氏「穏やかな特異点」ブログ公開

• OpenAIのSam Altman CEOが「穏やかな特異点 (the gentle singularity)」と題したブログ記事を公開し、話題となっています。
• AIの支援なしに書く最後の記事かもしれないとしつつ、AIエージェントが人間より知的なタスクを実行し、自己改善していく未来を示唆しています。
• この内容は、AGI（汎用人工知能）やASI（人工超知能）の到来が近いことを感じさせると多くの開発者が注目しています。

まつにぃ: サムの最後の人力執筆ブログを読みました。 非常に解像度が高くなっており、2025~27で知能と物理へより大きく干渉すると示唆しています。 既にASIが視野にあり、AGIが内部的に達成しているようにも伺えます。 そして何より全ての人にAGI/ASIを届けたいという決意が改めて見えました。 待ってます。 https://t.co/Wocr9eVV1K

morgan —: (翻訳) 「再帰的自己改善の幼虫バージョン」 https://t.co/xGpEIW9Zxc

Bindu Reddy: (翻訳) サム・アルトマンが的を射た投稿をしました！ AIエージェントは人間よりも知的です。一度にレポート、プレゼンテーション、アプリ、ワークフローを構築できます。 彼らはますます良くなり、人間の監督なしにそれを行うでしょう。 私たちは現在、特異点の中にいます https://t.co/gbSmYW78bJ

OpenAI、オープンモデルのリリースを今夏後半に延期【続報】

• OpenAIのオープンウェイトモデルのリリースに関する続報です。
• OpenAIは、6月に予定していたオープンウェイトモデルのリリースを延期し、今夏後半になる見込みだと発表しました。
• CEOのSam Altman氏は延期の理由について「研究チームが予想外で非常に素晴らしい何かを達成し、待つ価値があるものになると思うが、もう少し時間が必要」と説明しています。
• この発表は、o3 Proのリリースとo3の値下げとほぼ同時に行われました。

TechCrunch: (翻訳) OpenAIのオープンモデルは遅延 | TechCrunch https://t.co/CoJiWpuLsb

Kol Tregaskes: (翻訳) OpenAIのオープンウェイトモデルは少し遅れています。 https://t.co/IvXRQ7byiw

Tibor Blaho: (翻訳) サム・アルトマンは、今後のオープンウェイトのOpenAIモデルに関する最新情報を共有し、研究チームが予想外で非常に素晴らしいことを行ったため、もう少し時間をかけており、待つ価値が非常にあるだろうと述べ、リリースは今夏後半を予定しているが6月ではないと述べました https://t.co/LWYsCngcil

【続報】Apple Intelligenceの評価：Siriと音声AI最新動向

• WWDC25で発表されたApple Intelligenceについての評価が続いています。Siriの機能進化が他社AIアシスタントに比べて遅れているとの指摘が引き続き見られる一方、ChatGPTのAdvanced Voice機能における自然な会話生成能力の向上が注目されるなど、音声AI全体の進化も話題となっています。
• また、Appleが発表した論文「The Illusion of Thinking」（思考の錯誤）がAIの能力限界を示唆する内容として議論を呼んでいます。

久保田 雅也@Coalis: これ重要 (引用ツイート: アップル社の出した論文「The Illusion of Thinking」(思考の錯誤)、凄い話題になっているね。超大雑把に言うと、AIは高度な対応(複雑な問題への対応)になればなるほど急激に思考の精度が低下して高度化(高度な対応能力)に歯止めが掛る為、AGIなどを作ることは難しいだろうという論文。以下、引用。)

TechCrunch: (翻訳) Apple Intelligence：AppleのAIモデルとサービスについて知っておくべきすべてのこと | TechCrunch https://t.co/QzWvkKhTg5

TechCrunch: (翻訳) AIチャットボットがますます普及する中、AppleのSiriは依然として取り残されています。ChatGPT、Claudeなどが相次いでアップデートされ、私たちの注目を集める中、Appleのオリジナルアシスタントは#WWDC25後も依然として時代遅れです。「私たちが https://t.co/1R6pmOqxE6

メルカリ、Geminiでデータ分析AI構築 ADK活用事例共有【続報】

• Google CloudのAgent Development Kit (ADK) を活用し、メルカリがデータ分析AIエージェント「Socrates」を構築した事例がADKユーザーグループで共有されました。これはADK発表の続報となります。
• また、GoogleはGemini関連機能を継続的に強化しており、Chrome DevToolsにはGeminiを活用したAIアシスタントが統合され、ウェブ開発を支援する動きも進んでいます。こちらも既報の機能強化の続報です。

Shinichi Takaŷanagi: メルカリにおけるデータアナリティクス AI エージェント「Socrates」と ADK 活用事例 https://t.co/TZpJAhDMdb

Google Cloud Tech: (翻訳) ⏳ Google Cloudとのエージェント開発キットハッカソンの提出期限は6月23日です！ #OpenSource ADKフレームワークを使用してマルチエージェントシステムプロジェクトを完成させてください。サポートが必要ですか？サンプルエージェントやドキュメントなどのリソースをご活用ください→ https://t.co/YCirKxcwCH https://t.co/tKC92lzU...

Kimihiko Kitase ♨️ 北瀬 公彦: Chrome DevTools に直接統合された Gemini 「AI アシスタント」が便利。SEO チェックレポートも簡単に作成できます！ #chrome #devtools #Gemini https://t.co/PaVIVbCkRI

AIエージェント開発: 炎上対策AI、Devin活用、MCP入門

• AIエージェント開発が各社で進んでいます。
• Algomaticは炎上対策AI「炎上対策ミマモルくん」β版を発表しました。
• LayerXはAI開発エージェントDevinをカスタマーサポート業務に活用する事例を紹介しました。
• AIエージェント連携プロトコルMCPについては、からあげ氏が「MCP入門」として登壇しました。
• また、Claude CodeやDevinのFigma連携など、具体的な開発ツールとの連携も進んでいます。

からあげ: はてなブログに投稿しました #はてなブログ 松尾研LLMコミュニティにて『MCP入門 〜面倒なことはAIエージェントにやらせよう〜』というタイトルで登壇しました - karaage. [からあげ] https://t.co/j0zACYWs7I

松本 勇気 (Yuki Matsumoto) | LayerX CTO: Devinを使いこなすCS!! AI・LLM事業の1人目CSの「AIの日常使い」｜yuichiro_wakayama @y_wakayama https://t.co/FL2Hn0R3pV

株式会社Algomatic: ▶️ プレスリリースのお知らせ 炎上対策AIエージェント『炎上対策ミマモルくん』のβ版提供を開始いたします👏 ①平常時の防止対策 ②発生時の被害極小化 を実現し、ブランドイメージの毀損を抑えます🔐 お問い合わせはこちら： https://t.co/MHBN8m1cMI https://t.co/xp1lNHrUNb

AI活用に高度な知性必要論、OpenAIはLLMエネルギー消費量を公表

• AIの利用が人間を愚かにするとの懸念に対し、「AIを使いこなすにはむしろ高度な知性が求められる」という意見が広がりを見せています。
• AIは思考の出発点やアイデア創出を助けるツールとして、人間の思考を補完する役割が期待されています。
• また、ChatGPTなど大規模言語モデル（LLM）のエネルギー消費に関して、OpenAIが具体的な数値を公表し、過度な懸念の払拭に努めています。

Chubby♨️: (翻訳) AIの利用が人間を愚かにすると多くの人が主張しています。そうすることで、AIの利用には、正確で、具体的で、詳細で、文脈に沿った、そして適切な要求をするという、高度な知性が必要であるという事実を完全に無視しています。

morgan —: (翻訳) ChatGPTのクエリごとのエネルギーと水の使用量に関する最初の公式声明：実際にはごくわずかです。

まつにぃ: 今までは、 「つまりこういうこと?」の「こういう事」な具体部分までをLLMが吐き出してくれてましたが、その空白を埋める所を人間に委ねてくれており、空白を埋める思考を最大限補助してくれる。 そんな使い方も個人としては1つしっくり来ています。

Ponanza開発者講演に注目 Kaggle地震コンペ難航 kprize延期

• Kaggleで開催中の地震予測コンペ「GeoNet Earthquake Forecasting」では、学習に数十日を要するノートブックが存在するなど、依然として高い難易度が報告されています。
• 将棋AI「Ponanza」開発者の山本一成氏による講演「PonanzaはどうやってOSSに負けたか」の内容が公開され、技術的リーダーがフォロワーに敗れる構造について多くの共感を呼んでいます。
• また、kprizeコンペティションの終了日時が延期されたことも発表されました。

Jun Koda: アイディア不発。Geophysical コンペ、ダメです

もっさん: 地震コンペの公開ノートブックをただ学習させるだけでも数十日かかりそうで無理じゃん…

Hidehisa Arai: すごく面白い話で、Kaggleをやっていた自分としても共感できる話がたくさんありました！ チューリングの技術開発も海外勢と比べると結構なビハインドがあるわけですが、しっかりと王道の方法を真似して追いかけていくぞ！の気持ちを再確認しました

AI企業の資金調達活発化とSalesforceの牽制動き

• AI関連スタートアップの資金調達が引き続き活発化しています。AIストレージのVast Dataが250億ドル評価での資金調達を目指すと報じられたほか、AI検索のYou.comやエンタープライズAI検索のGleanも大型調達を実施しました。
• 一方で、SalesforceがGleanなど競合AI企業のSlackデータ利用をブロックする動きも報じられています。これはAI企業間の競争が激化する中、データアクセス制限という新たな牽制策として注目されます。

TechCrunch: (翻訳) 独占：情報筋によると、AIストレージプラットフォームのVast Dataは新たなラウンドで250億ドルの評価額を目指していた https://t.co/qPhlweRekD

The Information: (翻訳) AI検索スタートアップのYou.com (https://t.co/p6UfSlX6R2) が14億ドルの評価額で資金調達交渉中。SalesforceのCEOであるマーク・ベニオフ氏の支援を受け、リチャード・ソーチャー氏によって設立されたYou.comは、その専門知識を活用して企業にAI検索ソリューションを提供しています。詳細はこちら

The Information: (翻訳) 独占記事：Salesforceは、GleanのようなエンタープライズAIの競合他社がアプリケーションにSlackデータを使用することをブロックしています。 @kevkubernetes と @steph_palazzolo の記事で詳細をご覧ください 👇 https://t.co/5bMaTj8av5